最初の疑念に立ち返ってみる。
この文章を読んでいる方の33%は
「そうそう、コーチって質問ばっかりするよね」という人。
33%は
「コーチって質問ばっかりするの? 何かを教えてくれる人じゃないんだ?」という人。
33%は
「いやいや、きっちり学べばそんな浅いものじゃないよねコーチング」という人。
最後の1%は私のファンだと思うのですが、今回は1番目。
「そうそう、コーチって質問ばっかりするよね」という感想、印象、そして恐らくよくない体験をしてしまったあなたに書きます。
なぜ“恐らくよくない体験をしてしまった”と分かるかと言うと、
「コーチって質問ばっかりするよね」という言葉の響きには(実際は響いてないけど)、
否定的なニュアンスが感じられるからです。
多分、あなたは“コーチ”または“コーチング”を学んだという人に、
・何気ない会話の中でいきなり質問された
(なぜ雑談中に挑戦的な質問をしてくるのか・・・)
・悩みを打ち明けたら最初の一歩を訊かれた
(慰めてほしいだけなのに・・・)
・答えが必要なので質問したら質問し返された
(知らないから質問してるんだけど・・・)
という目にあわされたのではないでしょうか。
彼ら/彼女らを許してやってください。
覚えたばかりの技術は誰彼かまわず使いたくなるものなんです。
そして、「コーチング=質問」という間違ったドグマにとらわれて、
人と人とのつながり、良好なコミュニケーションあってのコーチングだということを忘れているのです。
それはボクシングジムに通いはじめた人が
「ボクシングのパンチってスゲー」
と会う人会う人ぶん殴っているようなもの。
ボクシングジムの中で、リングの上で、
「殴ったり殴られたりはOKよ」という人と一緒に練習しなければ、
それはもうボクシングではなく、ボクシングの技術を身につけた暴漢ですよ。
コーチングも同じ。ある枠組み、フレームの中で働いてはじめてその最大限の効果を発揮するというもの。
雑談したい時、悩みを聴いてほしい時、答えを知りたい時、それはコーチングのフレームではないわけです。
だからICCではトレーニングの序盤に「コーチングとそうでないもの」の区別を学びます。
コーチングを受けたい人=クライエントにそれを説明できなければ、
そしてクライエントの持ち込んできた課題がコーチングで扱うものかどうか判断できなければ、
「コーチって質問ばっかりするよね」という否定的な印象を持つ人がまたひとり誕生することになるわけ・・・。
日常会話でさらりと気づきを促す問いかけができる、などというのは上級者。
初心者は「コーチングというフレーム」に力があると心得よ! というわけで今回の私の結論。