今回は
「コーチって質問ばっかりするの? 何かを教えてくれる人じゃないんだ?」
というあなたにお話ししましょう。
日本ではコーチは専門的な何かを教えてくれる人というイメージがありますね。スポーツの世界では特にそう。
もしもあなたがコーチに対して抱いているイメージが“先生”のそれなら、
そしてコーチングが“何かを教えること”だと思っているなら、
ここで私とあなたのイメージをすり合わせておきましょう。
ICCのいうコーチングとは、
人が望むように変化するのを助け、行きたいと望む方向に行くことを助けること。
人がこうありたいと望む姿になり、できる限り最高の自分になれるようサポートすること、それがコーチング。それを行う人がコーチです。
サポートする、というところがミソ。
コーチはサポートに全力を傾けますが、望む姿、最高の自分になるために責任を取るのはあくまでもコーチングを受ける人=クライエントです。
だからコーチングは何かを教えることではありません。ここ大切。
先生は生徒の知らないことを知っています。
先生はその知らないことを生徒に伝えます。
コーチングはその真逆。すべてを知っているのはクライエントの方と考えます。
考えてみれば当然のこと。自分が望む変化も、行きたい方向も、解決したい課題も、達成したい目標も、一番よく知っているのはご本人。
コーチはその変化や方向、解決や達成に向かえるように、クライエントをサポートするのがお仕事です。
「“すべてを知っているのはクライエント”だなんて、知らなかったり分からないから困っているんじゃないか」
イエス。その通り。コーチングの領分です。
ここでコーチングにおいて大切なことをもう一つ。
コーチはクライエントの持ち込む課題の専門家である必要はありません。
コーチにとってその専門領域の知識は必ずしも必要ではないのです。
むしろ必要なのは課題についてのクライエントの見解と体験を知ることです。
繰り返しますが課題の専門家はクライエント。コーチはその専門家から有用な何を引き出せるかに集中します。
引き出す方法? 質問しかないでしょう!
コーチの最大の武器、それは質問です。
質問によってクライエントの使っていない能力や、忘れていた知識、役に立った体験、モデルになりそうな誰か、に気づいてもらう。それがコーチのお仕事です。
だから、“知らなかったり分からない人”には
「具体的に何を知らないのか、分からないのか」
「知らない、分からないことで何が起きるのか」
「今まで知らない、分からないことがあった時にどうやって解決してきたのか」
ちょっとひねって
「それを知らない、分からないままであなたにできることは何か」
的質問になってきます。
「コーチって質問ばっかりするの? 何かを教えてくれる人じゃないんだ?」
という感想に答える今回の私の結論。