なんで子供って裸足で外に行きたがるんでしょうかね!?
そりゃあ「靴を履く」なんて人間が作った文化に過ぎないので、欲望に従い快・不快で生きている幼時にとっては関係なし。イヤなものはイヤ、なのである。
しかし、大人の都合で申し訳ないが親はそうは言っていられない。
酷暑の日は鉄板のように熱く、極寒の日には氷のように冷たい道路。
ガラスの破片があるかもしれない、鋭い金具が落ちているかもしれない。
二、三歳児の柔らかい足の裏、そのわが子の足の裏を傷つけたくないのである。
そこで始まるのが玄関先での攻防。
「Cちゃーん、お出かけだよ~。クックはこうね~」
「Cちゃんはかないよ。はだしでおでかけするよ」
二歳をどれくらい過ぎていただろうか。長女のC「靴はかない期」のこと。
「そんなこと言っても靴はかないとお出かけできないんだよ。そら、はいて」妻の口調はまだやさしい(笑)
「いや、はだしでおでかけする!」
「はだしで道路歩いたら足けがしちゃうよ。お出かけできないよ!」
「はだしでおでかけする!」
「・・・あなた、バトンタッチ」
私の出番がやって来た。
あがりがまちに座って足をバタバタさせている長女のところに行き、質問する。
「Cちゃん、この青いくっくとピンクのくっくと、どっちはいて出かける?」
長女の顔が心なしかぽわん、とする。
「ピンクのくっく!」
「そうかピンクのくっくか。Cちゃんはピンク色が好きだからな~」
そして長女にお気に入りのピンクのくつをはかせて、一家はお出かけしたという。
実話である。
質問には性質を持たせることができる。
私は「長女が青とピンクのどちらの靴を選ぶか」が知りたかったわけでは、もちろん、ない。靴をはいてもらいたかったのである。
こういう質問の使い方は、ともすれば人を無意識的に操作することにもつながりかねない。いわゆる「悪用」である。
だが幸いなことが二つある。ひとつはこの文章を字面通り読んで聞かせても同じことは起きない。こういう質問に効果を持たせるためには、それを支えるあれやこれやを身につけている必要があるからだ。
そしてもう一つ、正当なトレーニングを受けてそのあれやこれやを身につけたコーチは、質問を「悪用」することはない、ということだ。
え、お前は?
この「靴はかない期」問題、子供を育てた方には深くうなずいてもらえる「あるある」だと思う。これくらいの“悪用”は大目に見ていただきたい!(泣)
今回の私の結論。