脱線しつつも、信念と価値観についていろいろ書いてきた。この辺、コーチングにとって強調してもしすぎることはない。
さて、ICCのウェブページではこのように問題提起してみた。
本当は達成しなくてもいいゴールに向かってしまう人もいるだろう。
例えばみんなが買っているから私も買う、良い生活がしたいから年収一億円を目指す、など。
「みんなが買っている」ことがどのようにあなたが買うことの理由になるのか?
購入理由が「みんなが買っているから」はあなたらしいのか?
あなたにとって具体的に「良い生活」とはどのようなものなのか?
それは一億円がないと獲得できないのか? などなど
もちろん個々人の状況はちがう。みんなが買っているから買う必要のある商品開発者や、年収一億円が射程内のクライエントもいるだろう。
だからコーチングはクライエントと同じ空間にいる意味がある。
言い方、言葉の使い方、表情、ジェスチャー、姿勢などはクライエントの無意識が表出し、かつコーチが観察可能なものだ。それらがクライエントの言っている内容と食い違っている時、コーチはそこを突っつけるし、またコーチはそこに気づきたい。
クライエントがよりよく生きるための手助けをするのがコーチングである。当初のゴール達成を取りやめることでその人らしく生きられるのなら、それはコーチングの成果である。
ゴールの達成を信じていない人もいるだろう。
「~する能力がない」とか「私には不可能だ」とか、ディスカウントに絡めて書いてきたことは頻繁に起きている気がする。
それこそコーチはゴールの背後にある信念や価値観を再発見させることで、クライエントを動機づけることができる。ディスカウントと言う言葉を使わなくとも、そこにある一種限定的なねじまがった思い込みに気づかせることもできる。
そして真ん中。
ゴールを達成するために、あなたが“大切にしている何か”を無視するとしたら? だ。
私にとってこれはとても興味深い考え方だ。
クライエントにとってゴール達成は大切なことだ。なぜならその背後にある信念や価値観が大切なものだから。
それはいい。だがゴール達成のプロセスでその価値観を大切にできない可能性はある。
クライエントにとって問題が起こるのは、その可能性を考慮しないでゴール達成に向かってしまった時である。
ではコーチにできることは? もちろんある。
価値観、信念ときて、ICCコーチング三題噺の最期、
みんな気安く口にするけど設定それ自体が達成に関わる
「ゴール」を見ていくことである。
今回の私の結論。