あなたの目の前の何かを手に取って欲しい(前にもこんなこと書いたな……)。
取りました? じゃあ元に戻して。
またそれを手に取って欲しいんだけど、
今度は「最適な動き」でお願いします。
もしあなたが私のお願いをマジメに実行しようとしたなら、
今あなたのアタマの中でうごめいているのがセルフ1である。
最適な? 言葉通りの意味か? まずどうする? どこから動かす? 考えろ!
セルフ1の言葉が聴こえるかのようだ。
初めに目の前の何かを手に取った時のあなたの動き。実はそれがその「何か」を取るための「最適な動き」である。
それを実行したのがセルフ2である。
寝床から起き上がる時に「まずは上半身を起こして肘を突き・・・」などと考える人はいない。人は目的に向かって最適な動きを取るようにできている。生物だから。
自分の邪魔をするのは自分。自分の一番のライバルは自分。
マスターヨーダも克服すべきは恐れや怒りなどの「自分のフォースの暗黒面」であると。
ユング風に影と言ってもいいかもしれない。
そのように、プレーヤーの心に焦点を当てたコーチングを始めた最初期の人がティモシー・ガルウェイさん。テニスのプロトレーナーである。コーチングの歴史をひもとけばその名に出くわすことになる。
当然、ICCのマニュアルにも言及がある。抜粋してみよう
「……コーチングがこのように広く受け入れられるようになったのはティモシー・ガルウェイの影響力のある本に原因があると思われます。
『The Inner game of Tennis』(邦題『インナーゲーム』)は1970年代中頃出版されました。ティモシー・ガルウェイはテニスコーチでしたが、彼はスポーツコーチングから習得した考えを更に広げ応用したので、それらのアイデアは他の分野にも汎用性を持つものになったのです。
彼はスポーツコーチングのベストの側面を保ちました。それは、人が最高のパフォーマンスを達成するのを批判ぬきでサポートするという方法でした……」
さらに引用する。
「……本当の敵はあなたの競争相手ではなく、あなた自身の限界であり弱さなのだということです。インナーゲームはあなたが最高のパフォーマンスを達成するのを禁じているあなた自身の心の習慣を克服するために使われるのです……」
そうなのだ。インナーゲームはあなたが最高のパフォーマンスを達成するための、そして他者から最高のパフォーマンスを引き出すための理論的土台となる。
それは今までに書いてきた「クライエントを制限する信念」や、
これから書くであろう「コーチの直観を妨げる3つの敵」というアイデアにつながる。
オコナーさん曰く、
「今、世界には色々なコーチングの学派があります。例えば行動コーチングであったり、存在論的コーチングであったり。そしてNLPコーチングもその一つです。
それらを含めた6つの主なコーチングモデルを統合して、様々なよいものを教えたいと思います。」
というわけで、ICCコーチングにはインナーゲーム理論も統合してあるのだ。
今回の私の結論。