曲線からなる丸っこい図形と直線からなるギザギザの図形がある。
名前があり一方は“ブーバ”、もう一方は“キキ”という。
さあ、どっちがどっち? と訊かれたらあなたはどう答えるだろうか?
結果は98%の人が「丸っこい図形が“ブーバ”、ギザギザの図形が“キキ”」と答えるという。
大人も子供も同じように、回答者の使う母語にも関係なく、だ。
有名な「ブーバ/キキ効果」である。
つまり私たちはあるパターン、ある図形から文化や言語を超えた普遍的なイメージを受け取っているということである。
日本の「チブサン古墳」をはじめ、世界中の遺跡、洞窟壁画に現れる〇△□の図形。そこに何かを託しているのは間違いのないところだろう。
コミュニケーションにおいて人間が「言葉」を使い始めたのはつい最近のこと。言語を獲得するまでの膨大な時間のほとんどは、表情や身振り手振り、うなり声。その強弱やトーンによってコミュニケーションしていたはず。
文字に先立ってイメージやシンボルを使っているのも当然だ。
イメージやシンボルといえば、私は“数”を見たことがない。というか、世界中の人で“数”を見たことがある人はいない。
私たちが目にしているのはあくまでも「一冊の本」や「二匹の犬」という個物の個数であって、“数”そのものではないのだ。
その数を表す123・・・という数字でさえ、直線と曲線でできたパターンとして抽象化したものでしかない。1=イチという“数”では決してない。
それなのに私たちは“数”というものを理解し、数字というシンボルを使ってその理解を伝達し合っている。これがいかにすさまじいことか。
そんな想いがあるから、私はアートセラピーに惹かれて企画するのだろう。
この不思議な、無意識の領域から役立つ何かを得たい同志の参加をお待ちしている。
体験!アートセラピー ~2017年完全版~
講師:斉藤 さや可
開催:平成29年10月21日(土)・22日(日)
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