「“嘘”とは意図的に、事前に予告なく、誤った情報を伝えることである」
かつてジョセフ・オコナー氏はこう言った。このことをちょっと考えてみたいと思う。
例えば友人が私にこう言ったとする。
「明日地球に巨大隕石が落ちて来るみたいだぞ!」
そりゃ大変だ! ・・・と慌てる前に検討してみよう。
この友人が自前の占いで「隕石落下」という結果を得て、善意で私に教えているなら、
これは友人にとっての真実である(事実かどうかは関係ない)。
「流星雨の中を地球が通過する」というニュースを見た友人が、じゃあでっかいのから小さいのから隕石が地球にビシバシ当たるってことじゃないか! と慌てて私に教えているなら、
これは誤解である(大気上層で燃え尽きる数ミリの塵が流星雨だ)。
「巨大隕石は何回も地球を襲い、そしてこれからも襲うだろう。それは明日かも知れない」という科学番組を見て早とちりして私に教えているなら、
これは勘違いである(確率論的に巨大隕石は必ず地球にあたる。が、そのとき人類が種として存続しているかは定かでない)。
「明日巨大隕石が地球に落下する」という何らの情報を持たない友人が、それを私に信じさせるために話しているなら、
これは意図的に謝った情報を伝えていることになる。つまり“嘘”の条件を一部満たしている。
だがどうだろう。その友人が「これから言うことは嘘、つまりは冗談だ」ということを示すあらゆる非言語的メッセージを発していたら。
コミュニケーション理論研究者としてのグレゴリー・ベイトソンはこう言っている。
「動物たちもコミュニケーションをとっている。ただそれは人間が行う “今日はいい天気ですね”“今は3時です”のような抽象的な情報のやり取りではなく、お互いの関係性についてのコミュニケートだ」
どういうことだろうか。ベイトソンは例を引いて続ける。
「例えば動物たちのじゃれ合いは、実際の闘争と同じ手段である“噛みつき”や“爪による攻撃”が行われる。ではなぜそこから戦いに発展せず意図した通り遊びで終わるのか。
それは“噛みつき”や“爪による攻撃”という行動と同時に、“実際の闘争と同じ行動を取るけどこれは遊びだよ”と言うメッセージがその行動自体によって発信されているからだ」
「おいおい知ってっか佐々木~、明日地球に巨大隕石が落ちて来るみたいだぞ!」(ニヤリ)
「バカ言うなよ」
そこには嘘を言うという行動と同時に「今から嘘を言うぞ」というメッセージも発信されている。そして、それを感じ取る能力を私たち人間は持っている。
「今から嘘を言うぞ」というメッセージがない、つまり「事前に予告なく」発せられる誤った情報が嘘なのだ。
・・・何で嘘の話を? もちろん理由がある。
2018年5月4日(金祝)にジョセフ・オコナー氏1day特別セミナー
「欺瞞 見抜き方と対処法~ポール・エクマンの研究とNLPによる「嘘」の洞察~」を開催するからだ。
詳細はこれから公開していくが、いま確実に言えること。それは、
2017年10月31日(火)までに
「NLPを神経科学でアップグレードする」6日間コースに申し込んでくれた方は、
この「欺瞞 見抜き方と対処法~ポール・エクマンの研究とNLPによる「嘘」の洞察~」にご招待するということ!
NLPを神経科学でアップグレードする
~NLP and Neuroscience~
開催:2018年4月28日(土)~5月3日(木祝)の6日間
会場:国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)
講師:ジョセフ・オコナー(Joseph O’Connor)
通訳:小林 展子 Ph.D.