「では、令和3年5月の柱合会議を始めます」
わああ、パチパチパチ……
我が家では毎月第一土曜日の夕飯後、佐々木家の最高意思決定機関である「柱合会議」が招集されます。みんな大好き某刃から子供たちが命名しました。
参加メンバーは
飯柱(なにせよく食べる)・長男10歳
コケ柱(なにせよくコケる)・長女8歳
プリティ柱(なにせカワイイ)・次女4歳
そして当主の私と妻の5人。テーブルの周りで遊ぶプリティ柱を除いた4名で佐々木家の行く末が決められます。
議題は今後の予定の発表、新たな提案、決めたいこと、分かち合っておきたいことなどなど。要するに家族会議ですね。
最近そこで話されたのは小学校登校班の集合時間に遅刻した場合のペナルティ、夏場の帰宅時間、キッズケータイの購入計画、面白そうなイベントへの参加意思などでした。
さて、このような柱合会議を設定した理由はいくつかあります。そのひとつが不平や不満を顕在化させる公式な場が欲しかったから。
親→子供はもちろん子供→親、はたまた兄弟間の不満や不平をさえぎられることなく表明できる場所があったらいいなあと思っていたのでした。
最近の話題の中心はコケの呼吸を使うコケ柱の長女8歳。
なにしろやることなすこと腹が立ちます。○○しっぱなしの達人で、注意しても学ばず、言った言わないの水掛け論が大好きで、分が悪くなるとしらを切り、自分に正当性があると分かればかさにかかって追い詰めてくる。うーん8歳。
そんなコケ柱の態度が許せない飯柱の長男10歳は常にコケ柱の動向に目を光らせ、それが気にくわないコケ柱と常にケンカしています。
ただ、その場で「コラ、やめなさい!」で済ませてしまい、そのやり取りによってコケ柱飯柱双方が本当に言いたかったこと、肯定的意図とでも呼べるものを流してしまいたくなかったのです。
その日もコケ柱の行状を話題にして(もちろん私が学んだすべてのアレコレを駆使して)、それに過剰反応してしまう飯柱に話を振ると意外なコメントが。
「俺だってコケ柱のことは好きだよ。だけどこいつの態度が本当に腹が立って……!」
私以上にきっちりした性格の飯柱10歳は、それと対極にあるいいかげんなコケ柱8歳を許せないのでした(「スクールカウンセラーの世話になりたいよ俺は!」という発言には笑った)。
目を見開いたのは熱弁をふるう飯柱の死角に座っていたコケ柱。飯柱を指さしながら私に向かって口の動きだけで
(ス キ ダッ テ !)
と驚きと嬉しさの入り混じった表情で訴えかけるのでした。柱合会議という公式の場がなければ、飯柱の怒りの背後にある思いは一生表に出ることはなかったわけです。
家族システムには、
「家族は、複数の個人が相互に結びつき構成するシステムである」
という特徴があります。また、
「家族内の相互作用・コミュニケーションには、独自の構造と過程がある」
とも。
我が家の柱合会議はこれからもそのプロセスを促進する機能を果たしていったらいいなあと思うわけです。
あ、コケ柱と飯柱は相も変わらず仲良くケンカしてますし、プリティ柱は今日もかわいいです。