「あなたの上手く機能したアンカーは何ですか?」
「それが上手く機能した理由はなんでしょうか?」
「どの様な特徴があったから上手く機能したのでしょうか?」
GWのトレーニングでジョセフ・オコナー氏から出されたエクササイズ。
アンカーとはNLPのアイデアでありテクニックでもある。
わざと難しく言うなら「特定の反応、特に情動反応に結びついている引き金」のこと。
私たちはアンカーに支配されている。
赤信号を見たらブレーキをかける。
チャイムが鳴ったら席に着く。
塩素のにおいをかいだら夏を思い出す、などなど。
いずれもそれが何を意味しているか考えるよりも早く、だ。
赤信号、
チャイム、
塩素のにおいがアンカーである。
(似ているが「菊〇宗を飲むと旨いものが食べたくなる」は違う。念のため)
これらの例は無意識のアンカーだが、アンカーは意識的に作ることもできる。
実際、大企業は一般大衆にアンカーを設定するために広告に莫大な費用をかけているではないか。
同様に、自分の望む状態を引き出すアンカーを設定すればいいじゃない、というのがNLPの考えだ。
そして冒頭に戻る。
上手く機能したアンカーの理由と特徴? 何だろう。グループでディスカッション。
数分後、私の答えが出た。三つある。
一つ 継続して使っている
一つ アンカーで引き出す状態に重要性がある
一つ カッコイイ
例によって武術に関してのことだ。
一つ 継続して使っている
そのアンカーは武術の修業時に使われる。そして私は修業を毎日しているので、アンカーも毎日使われることになる。
アンカーは使えば使うほど望む状態を引き出しやすくなる、というのがルールだ。
一つ アンカーで引き出す状態に重要性がある
その武術は柳生心眼流兵術という。見敵必殺、眼差しで相手を殺すくらいの気迫をもって修業するのがお約束。
だがある時、師匠と稽古を行った際、日常の精神状態のままなんとなく型稽古に入ってしまったことがあった。これはいかん、遠くの水平線を眺めるかのような眼差しがお約束の太極拳をやりすぎたか。
反省した私は柳生心眼流兵術の稽古用に、身の内が闘志あふれる状態を引き出すべく、アンカーを設定したのだった。
アンカーで再現する状態が混じり気がなく純粋であると成功しやすい、というのもルールだ。そしてこの状態は修業する上でとても重要なのだ。
一つ カッコイイ
私が選んだアンカーの種類は<外的聴覚>。つまり耳に聞こえる音、この場合は自分の声だ。伝統的な枠組みでは自分を鼓舞するための呪文である。
だが私がぽつりとつぶやくのはこのセリフ。
「いくぞ、震月」
伝説の格闘マンガ『関節王』の主人公・水澤完のセリフ。水澤が最後の戦いで相手に繰り出す技が震月である。
ともかくそのセリフが
カッコイイじゃない!
そしてそのセリフをつぶやいて修業に臨む自分自身も
カッコイイじゃない!
どうやら「カッコイイ」は超重要らしい。
こうして私のアンカーは日々強化されていく。
晴れの日、上司の声、駅の発車チャイム、好きな服の着心地、家族の写真。あなたにはどんなアンカーが設定されていますか?