「ササキ、そこはもっと丁寧に説明するほうがいい」

「！　わかりました！」

今から10年前の私にインパクトを与えた体験。それはあなたも気づいている通り、エイブ先生の前でプレゼンテーションを行う事でした。確か20分程度の時間をもらって、お題は「３つのチャンネル：VAK」だったなあ。

とりあえず自分の知っていることを総動員して取り組む私。何についての話か、なぜ学ぶのか、学ぶとどんないいことがあるのか、自分の体験に当てはめてのストーリー、日常での事例・・・。

何とかプレゼンテーションを終わらせてほっと一息、と思うまもなく質問コーナー。それも青の状態からの質問、赤の状態からの質問、的外れの質問、だらだら続く質問とバリエーションに富んだ質問のつるべ打ち！　性質の違うそれらに何とか対応して今度こそ自分の持ち時間が終了。晴れてエイブ先生のコメントをもらったわけですが・・・

ほとんど覚えていない

そりゃあそうですよ。その場で考えながらプレゼンテーションして、ありえないような質問にも答えながら、あろうことかエイブ先生が（私の成長を促すためとはいえ）コメントすべく目を光らせているんですから。こういう顔で。

ただ、そんな状況でさえ私のアタマに飛び込んできて、今に至るまで影響を与えているエイブ先生のアドバイスがあります。

　会話を表現するときは、発話者の立ち位置に動くべし

落語家さんが一人でキャラクターを演じ分けるように、あたかも二人の人物がそこにいて会話しているかのように立つ位置を移動しながら表現しなさい、ということ。確かにその場で話し続けるより、視覚のチャンネルも使うので聴衆の理解を促しますよね。エイブ先生の得意技でもあります。

　事例のデモをする時は、「ここから事例ですよ」と分かるようにメリハリをつけること。

レクチャーの雰囲気でそのまま事例の登場人物の会話に流れていったら、参加者はファシリーテータである私の発言なのか、それとも私が持ち出すストーリーの登場人物の発言なのか混乱するでしょう。これも私にとってとても役立つ指摘でした。

多分もっと色々コメントしてくれたのでしょうが、エイブ先生の言葉は風に乗ってもう取り返すことができません。残念・・・。

「はあ、やっぱりなかなか難しいものだなあ」と研修というものについて考えていると、仲の良い参加者の方がアレコレと感想を聞かせてくれました。

「ユーモアがありながらも脱線は無くてわかりやすかったよ」

「私たちは分かっているから流しちゃうけど、初めてBCBを学ぶ人にとっては定義の事例がもっとあった方がいいと思う」

皆BCBを学んでいる仲間です。感想も私の役に立つように伝えてくれます。ちゃんとできていることに気づかせてくれるありがたいストローク。

これらの経験が今年の企画とつながったわけです。

エイブ先生のコメントはすごくありがたい。

それを撮影しておいて後で見れたら絶対いいって！

感想も口頭じゃなくて専用のシートに書いてもらおう。

参加人数分のストロークカードが集まるようなもんだ。

10年前の私より質の良い体験が得られるようアレンジした企画です。必ずBCBを伝えたいあなたの役に立ちます。

これが今回の研修をあなたに勧めるひとつ目の理由。二つ目の理由は6年前、エイブ先生が日本を去る時に残していったメッセージに関係します。果たして？

どうぞこのページを最後まで読んでください。